産地紀行Trip to Origin

コーヒー産地紀行 -ブラジル編-

このページでは、私が実際に産地に出向き体験した事を紹介し、皆様が読んで納得していただけるようなページにしたいと考えています。皆様にもっとコーヒーを身近に感じてもらえればと思い、始めました。これからもいろんな産地に行く予定ですので、その都度更新してゆきます。お気軽にお読みください。


セラード(ブラジル)編

セラードとは?

株式会社セラードさんの紹介でブラジル・ミナス・ジェライス州のパトロシーノ市にあるエキスポカセールにお世話になりました。エキスポカセールには山口彰男氏をはじめ、多数の有能なスペシャリストが働いており、そこで長い間勉強させて頂きました。ブラジル中東部に広がり、日本の面積の約5倍にもなるセラード高原。パトロシーニオ市を中心に南北200キロ東西200キロのエリアで良質のアラビカ種が生産されています。


このセラード地帯は他のブラジルコーヒーと比べると・・・

● 海抜900m~1200mでブラジル国内最高地域(高地になれば朝夕の気温差が大きく、コーヒーの実が引き締まります)

● 雨季と乾季がきっちりと別れており、収穫期の秋に雨が降らない。サンパウロにでは乾季でも雨がよく降る(収穫期に雨がふると豆が発酵してしまい、雑味が出てしまいます)

● 無霜地帯であるため霜に悩まされる心配はなく、コーヒーの栽培の理想郷であり、当社としても大いに興味を持った土地です


私がこのセラードに来て一番驚いた事は近代的な生産方式でした。

セラード以外にも南ミナスやサンパウロ州の農園も見て回りましたが、生産方式の違いに圧倒され、セラード以外の土地は傾斜面にコーヒーが植えられていて機械化の導入が難しく、セラードは平坦な土地ですので近代的な生産方式が可能となります。 機械化を導入する事で人件費を抑え、その分高品質な豆を栽培でき、生産力の向上へと繋がっています 。


セラードコーヒー精製工程(収穫から脱穀まで)セミ・ウォッシュド

収穫現場

収穫には、手摘みの方法と収穫機による収穫方法があります。 私が様々な農園を回った時は、ほとんどが機械による収穫でした。 この機械は1000人分の労働力があるそうです。 確かに手摘みで赤く熟した実だけを取り水洗処理をするのが一番良いとは思われますが、見える範囲全てが農園というこの広さでどれだけの人件費を費やすか。 2002年現在コーヒーの生産国は、ブラジル・ベトナムの大豊作のため相場は低迷しており、肥料をも買えない農園が増えています。 こうした中セラードは機械化を導入する事で、諸経費を削減し品質管理に重点をおいている様に感じ取れました。


ラバードール (水洗・選別機)

収穫後の豆はすぐに果肉を除去しないと腐り、香味に大きな影響を与えてしまいます。 収穫機によって収穫された中には豆だけでなく石片、土、木片、小枝などが含まれています。この水洗機械で収穫後のコーヒーチェリーを水洗いして、表面に付着した汚れを落とすと同時にこれら不純物を分離除去します。 豆を水に通した時、黒く完熟した豆(ボイヤー)は軽いため浮き、そのまま別ルートに送られます。(ボイヤーはそのまま乾燥場へ送られる)赤く熟した豆と未熟豆は次の工程へと送られます。


デスポルバドール (果肉除去機)

この工程ではコーヒーの果実が速度の違う2本のローラーの間を水と共に通過し、果実を分離する仕組みとなっています。赤く熟した豆は外皮が柔らかい為、こ の回転式皮ムキ機のドラムの中で容易に果肉除去され次の工程へと進められますが、未熟豆は青くて硬いため果肉除去されずローラーに弾かれて除外され、ここ で赤い豆と分離されます。 しかし、一番右の画像を見てもらえればお分かりですが、たまに未熟豆でも果肉除去されてしまう時があります。これを解決するのが一番難しいと悩んでいました。 だいたい欠点豆が4,5%入ると味が変わると言われています。


デスムシラドール (滑り除去機)

果肉除去された豆の表面には果肉成分である滑り(ムシラージ)が付着しています。この滑りを取らないと発酵してしまうので、この段階で少量の水を使い機械的に除去します。 そして洗浄されたパーチメント(一番右の画像)になり、乾燥場に送られます。 未熟豆は2級品として、国内用として使用されます。 ブラジルはコーヒーの国というイメージが強いですが、国内で飲んでいるコーヒーはあまり品質が良くないのばかりでした。実際、ブラジルのコーヒーの工場に行く機会がありましたが、とても品質が悪い物が多いのに驚かされました。

※ブラジルを除く中南米ではフル・ウオッシュドを利用しています。 フル・ウオッシュドでは滑りをとる段階で発酵槽を用います。発酵槽に半日から1日浸けて発酵させ滑りを取るのですが、この場合大量の水を使用する為、使用 後の廃水が周辺環境に悪影響を与え社会問題になっています。セラードは環境の事も考えていることが伺えます。


乾燥現場 (サンドライ、ウィンドドライ)

水洗で選別された豆は、すぐに乾燥場に運ばれます。この段階でいかに水気を取るのかが重要になってきます。ここで豆を広げ、均一に太陽の光に当たるように します。しかし、そのままだと太陽の光が当たっている所と当たっていない所で気温差が生じる為、また空気中の温度とコンクリートの温度差により発酵してし まう可能性があるので真ん中の画像の様に定期的にきちんとした攪拌が必要になります。 一番右の画像はアフリカでも利用されていますが、サンドライと比べ網の上で豆を広げているため温度差が生じる事はありません。風を利用した乾燥方法です。 まだまだ普及率は低いですが、今後の豆の良し悪しを見る一つの材料となるかも知れません。ちなみにこの乾燥方法の名前ですが山口彰男氏が名付けたもので、 まだ(2002年現在では)正式には決まっておりません・・


セッカドール (乾燥機)

大きな回転ドラム内(一番右の画像)に、一度に約4トンの生乾き状態のパーチメントを投入し、熱風を利用して低温(約40度)で水分の含有量が12%前後になるまでゆっくり乾燥させます。その後パーチメントの状態で水分を安定させる為専用倉庫で保管されます 一番左の画像がボイラーでそこから熱風を送り込み、その燃料としてユウカリの木が用いられています。ユウカリの木は一度伐採してもすぐに成長しますので、 この農園(ボアビスタ農園)では燃料として利用していました。環境を大事にし、効率よく再利用している点も、大きな特徴でもあるといえます。 天日乾燥だけ、乾燥機だけというより、この様に二つの乾燥方法を併用した方が安定性があります。

※低温乾燥させる事で豆の胚芽が生きたままの状態となり、パーチメントの状態で長い間鮮度を保ったまま保存が可能となります。


脱穀・選別

大きな回転ドラム内(一番右の画像)に、一度に約4トンの生乾き状態のパーチメントを投入し、熱風を利用して低温(約40度)で水分の含有量が12%前後になるまでゆっくり乾燥させます。その後パーチメントの状態で水分を安定させる為専用倉庫で保管されます 一番左の画像がボイラーでそこから熱風を送り込み、その燃料としてユウカリの木が用いられています。ユウカリの木は一度伐採してもすぐに成長しますので、 この農園(ボアビスタ農園)では燃料として利用していました。環境を大事にし、効率よく再利用している点も、大きな特徴でもあるといえます。 天日乾燥だけ、乾燥機だけというより、この様に二つの乾燥方法を併用した方が安定性があります。

※低温乾燥させる事で豆の胚芽が生きたままの状態となり、パーチメントの状態で長い間鮮度を保ったまま保存が可能となります。


皆様にご満足頂けるコーヒーをお届けするために西山珈琲は、これからも各国の農園に足を運び、現地の現状を把握し、良質な豆を仕入れられるように交流を深めていく事が、今後とても重要だと受け止めています。

いかがでしょうか。 少しでも皆様にコーヒーを身近に感じてもらえればと思い作成しました。 私達が飲んでいるコーヒーはこんなに様々な過程を経ています。 そして、私自身これからも現地の農園に足を運び、交流を深めていきたいと考えています。 何か疑問や「これは違うだろ~!!」って事があればどんどん質問してください。 私自身もまだまだ勉強中の身なので、皆様のお便りをお待ちしております。 更に詳しい事はメールマガジン「マメ豆通信」で載せていこうと考えておりますので、ご購読をよろしくお願いします。 そして、山口彰男氏を始め、エキスポカセールの皆様、株式会社セラードの皆様この度は本当にありがとうございました。この場を借りてお礼とさせて頂きます。



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